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【3000文字チャレンジ】僕の初めての本気の勝負~あの日のマラソン大会~

マラソン大会

どうもです。ももです。
今回、ブログ初心者ですが3000文字チャレンジに挑戦します。

マラソン大会でのライバルとの勝負

あの日僕は小学生だった。特にこれと言って特技はなかったが、運動が人よりはできていた。水泳は小学校の代表で大会に出場したこともあったし、なわとび大会でも1位をとったことがある。そして、マラソン大会。僕の学校では毎年マラソン大会がある。学年単位での勝負となり、10位以内だと表彰される。僕は小学生の6年間表彰をされなかったことはなかった。そんな僕のマラソン大会での話。

初めに僕がマラソン大会に本気になるまでの話

僕はマラソン大会では毎回10位以内に入ってた。けど、上位に食い込んだことは一度もなかった。そこまで必死ではなかったから。そもそも勝負に関して必死になったことがなかった。

けど、僕は5年生のときに父親からの「マラソン大会1位になったら音楽プレイヤーを買ってあげる」と今思えば、教育上いいのか?と思う物で僕のマラソン大会でのやる気を高めさせようとした。それはきっと父は何かスポーツで1位を取ってほしかったから、だと思う。

僕はサッカーも野球もなにもしてなかった。水泳は確かにしていたが、市で1位を取れるほどの実力もなく真剣に取り組んではいなかった。なので父は中学までに何か継続するスポーツを決めてほしかったのだ。そこで選ばれたマラソン大会。もちろん僕はその時、音楽が大好きで寝る前にラジオを聴いたりするほど音楽にハマってた。自分専用の音楽プレーヤーなんて夢のような代物だ。音楽をイヤホンで自分の世界だけで聴けるなんて!と盛り上がった。

そこから、僕のマラソン大会にむけての練習が始まった。この時点でマラソン大会まで2週間は切っていた。言うのが遅いぞ、父よ。とも思いながら僕は本気になった。

そもそも僕の小学校ではマラソン大会はそこまで大ごとな行事ではないため、全体の練習は2週間の朝10分校庭を走る。リハーサルを一回のみ。あまり練習量が多いとは思えない。だけども、大事な練習だ。本来ならしっかり練習しなければいけない。けど、僕はそのとき既に格好つけの子供だった。なので練習なんて「だり~」とか言ってさぼりまくってた。ちんたらちんたら走ってた。けど放課後に友達と遊び終わった後、夕方ぐらいに近所から少し離れたところまで行って走ってた。

また、土日に父に少し遠くのところに連れてってもらって走った。周りに練習しているとばれないように徹底していた。また、母には頭を下げてまでマラソン用の靴を買ってもらった。しかも中々高いの。ここまで本気になったのは人生で初めてだった。初めは物で釣った父に対して怒りをぶつけていた母だったが息子がこんなにも真剣に物事に取り組んでいるので、途中からは何も文句を言わなくなった。

それほど僕は真剣だった。そう、真剣にならないと勝てない相手が学年にいた。小学校1年からずっと1位をとっている山本くんだ。彼は足がめちゃくちゃ速い。短距離も長距離も速い。そして小学校の陸上部に所属していた。もちろん市の大会も出てたはずだ。そんなやつに勝たなければいけない。向こうは、まさか僕がライバル視しているだなんて思ってもいないはず。今回もどうせ1位だとでも思っているのだろうと考えていた。彼はリハーサルでも1位だった。けど負けられない。僕の夢の音楽ライフのためにこいつに勝つんだ。そうやって自分を奮い立たせて練習していた。そして、本番の日が来た。

小学生5年生のマラソン大会

夜ラジオを聴きながら眠れなかった。明日にはイヤホンをつけて自分の世界で音楽が聴けるか、そう思うとニヤニヤが止まらなかった。今でも思う。その謎の自信はどこから出てきたのか。なので、当日も清々しいほどの気持ちで家を出た。父に今日学校終わりに絶対買いにつれてってよ!と念を押したほどだった。

そして、僕のマラソン大会が始まった。
スタートする前から決めていた追いかけるのは山本くんだ。あいつに勝てれば僕は1位だ。あいつをマークするぞ、と。そしてスタートの音がなる。僕は少し心臓がバクバクしていた。それはそのはず、自分の中でこんなにも真剣な勝負は初めてだったから。
走っているからなのか走りながら緊張しているのか興奮しているのか、心拍数が速かった。落ち着けとずっと自分に言い聞かして、山本くんの後を追った。山本くんの取り巻きが僕を含めて10人いた。まだまだ序盤だ。このペースだったら余裕だ。そんなことを考えながら走っていた。

中盤になって、取り巻きも5人ほどになってきた。それぞれ距離も空いてきた。僕は山本くんの後ろをキープしている。正直必死だった。思った以上にペースが速かった。どんどん速くなってきていた。無謀だった。どうみても普段僕が走っているペースとは違う。圧倒的に速い。途中泣きそうになった。物を買ってもらえないことに対してなのか、悔しいからなのか分からなかった。それでも必死にしがみついていく。

そしていきなり、ラストスパートをかける山本くん。そうゴールはもうすぐだった。そんなことにも気づかないぐらい僕はもう限界だった。もう無理だ。無理だ。と思いながらも必死に後ろをキープしていた。早く終わってほしい、早くゴールしたい、立ち止まりたい。そんな思いがいっぱいだった。けど立ち止まれなかった。山本くんがペースを上げたタイミングで僕もまた必死でしがみつく。

山本くん自身も僕の存在を気にしていた。後ろをチラッと振り返っていたりして様子を見ていた。するともっとペースをあげてきた。僕もまた同じようにペースを上げた。負けたくなかった。あと多分1mもないほどの距離が山本くんと空いている。どうにか抜かせないか。必死に走る。そしてラストスパート。

親たちの声援が大きくなる。1位と2位が接戦だからだ。目の前にゴールが見えた。山本くんは今まで以上にペースを上げてきた。そして僕も死ぬ勢いでペースを上げた。けど追い付かない。追い付けない。もうこれ以上にないほどがむしゃらに足を動かした。

けど、結果はダメだった。

僕は数秒負けてしまった。ゴールした瞬間心臓のバクバクで死ぬかと思った。そして悔しかった。悔しかった。僕はゴールの瞬間倒れてしまって起き上がれなかった。でも山本くんは平気だった。そう、山本くんは余裕だった。それがまた僕の悔しさを倍増させた。
そして勝負に負けたことに初めて涙を流した。周りを気にせず大声で泣いた。
友達も先生も親もその姿をみてびっくりしていた。そもそも、学校の行事を真剣に取り組まなかった僕が何故か1位の子の後ろをずっとしがみついて、負けて大泣きしているのだから。

そんな悔しかった僕の小学5年生のマラソン大会。初めての本気の勝負。

小学校6年生

また、マラソン大会の時期がやってきた。僕は3か月前から練習に取り組んだ。父からは次は1位だと大いに期待していて、音楽プレーヤーを買う気まんまんだった。僕は既に音楽プレーヤーのために、1位になりたいという気持ちは消えていた。どうしても山本くんに勝ちたい。そんな気持ちでいっぱいだった。
今回はもう恥ずかしい気持ちなど捨て、学校の練習も真面目に取り組んだ。

そして当日。もうずっと緊張していた。小学6年生なので実質最後の山本くんとの勝負だ。
スタートの音が鳴る。前回とは違い自分のペースで走る。山本くんは前にいる。焦るな。練習はしっかりしてきた。そう言い聞かせて走る。

中盤まで山本くんの後ろにいた。取り巻きも5人ほど。そもそも小学6年生なのでそこまで本気で走る子はほとんどいなかった。

そして終盤になると僕と山本くんの二人しか周りにいなくなった。何故か今回はあっさりと山本くんの隣に並ぶことができた。
そしてラストスパートを僕はかけた。山本くんとの距離はどんどん開いていった。

そして僕はあっけなく1位でゴールをしてしまった。本当にあっさりとしていた。去年はゴールの瞬間倒れたのに今回は余裕だった。

そして、ちっとも嬉しい気持ちにならなかった。この日のために一生懸命練習してきた。けど、この1位はなんだ?と。あとからやってきた山本くんのゴールする姿を見た。

山本くんはお腹を痛そうにさすっていた。

そしてゴールした瞬間保健室へ連れていかれた。

そう、山本くんは不調だったんだ。

父は喜んでいた。山本くんが不調だとは知らずに、息子の僕がマラソン大会1位になったことを。さっそくウォークマンをプレゼントしてくれた。僕は言い出せなかった。山本くんは体調不良だったんだと。それを言ってもきっと父はウォークマンを買ってくれた。

分かってた。きっと山本くんの体調が良かったら負けてた。実際口に出す子もいた。また、逆のことを言う子もいた。負けるって分かったからお腹痛いって言ったんじゃない?と。そんなことどっちでもよかった。僕のこの勝負は勝負だったのだろうか。勝負になっていたのだろうか。僕は本当に1位なのか。山本くんに勝っていたのか。

そんな思いを抱きながらも父に買ってもらってウォークマンで大好きなBUMP OF CHICKENを入れて、オンリーロンリーグロリーの聴いていた。

「オンリーグロリー 君だけが貰うトロフィー」

聴いてるうちに、僕が貰っていい1位ではない。そんな思いが込み上げてきた。そして泣いた。勝負とは、なんなのだろうか。1位とはそんなにいいものなのか。1位になってもこんな思いするなら二度と勝負なんてしないと思ったのだった。そもそも1位とはなんだ?と。

また、バンプしかまだ入れてないウォークマンが嫌になり、数カ月ウォークマンを放置する羽目になった。それも父は知らない。
そして、この出来事がきっかけで中学になって部活は入らず帰宅部として遊び惚ける毎日を過ごすのであった。父は今でも理由は知らない。

大人になった今も何かに真剣に勝負することってなくて。いいのか悪いのか、この出来事から何故か勝ち負けが好きじゃなくなって。平和を求める毎日を過ごしています。

そんな僕の人生で初めて勝負したほろ苦いお話でした。

おしまい

まとめ

初めての3000字チャレンジ。これからもチャレンジしていこうかな。書き始めるとあっという間の3000字だった!楽しかったです。